【主体的・対話的で深い学び × GIGA 理論と実践支援サイト・単元開発チェックリスト】

「主体的・対話的で深い学び × GIGA」を実現するためには、勘と経験に加えて、確かな理論を足場として学びをデザインすることが重要となります。

その背景や、関連する教育理論の内容、活用方法のヒントなどを「主体的・対話的で深い学び × GIGA 理論と実践支援サイト」にまとめました。

また、関連する理論を踏まえた「単元開発チェックリスト」を開発し、本ページの下部に公開しています。

 

◯必要な教育理論や視点をメタ的に見る。

◯学ぶべき教育理論を選定する。

◯より良い授業実践のために単元を設計する。

◯単元開発や授業改善の足場とする。

 

といった目的で、このサイトをご活用していただけますと幸いです。

主体的・対話的で深い学び×GIGA

単元開発チェックリスト_Ver0.86

このチェックリストは、主体的・対話的で深い学び×GIGA環境の効果的な活用のための単元開発を進められるよう設計しています。各ステップ5項目で構成し、自己評価の目安を示しています。単元開発の支援ツールとしてご活用ください。なお、このチェックリストは構成主義等の教育理論をベースに開発しています。

Ⅰ. 計画段階の基本チェック項目

1. 学習目標の設定

2. 学習過程の設計

Ⅱ. 実施準備段階の工夫チェック項目

3. 学習活動の構想

4. 評価計画の作成

Ⅲ. 教材・環境準備段階の実用チェック項目

5. 教材の準備

6. 学習環境の整備

Ⅳ. 支援・改善段階の充実チェック項目

7. 学習支援の計画

8. 振り返りと改善

「構成主義的単元」への移行度チェック

自己評価の目安

初級レベル(従来型授業からの一歩)

・各セクションで2〜3項目にチェックが入っている(合計16〜24項目)
・特に学習目標設定と学習活動の構想で3項目以上チェックできている

中級レベル(構成主義的要素を取り入れた授業)

・各セクションで3〜4項目にチェックが入っている(合計25〜32項目)
・「構成主義的単元」への移行度チェックで3項目以上にチェックが入っている
・評価計画と学習支援の計画で4項目以上チェックできている

上級レベル(本格的な構成主義的単元開発)

・ほぼすべての項目(33〜40項目)にチェックが入っている
・「構成主義的単元」への移行度チェックが全項目達成している
・振り返りと改善の項目が充実している

継続的な成長のために

初めは「初級レベル」の達成を目指し、徐々に中級、上級へとステップアップしていきましょう。1つの単元ですべての項目を完璧に満たす必要はありません。むしろ、単元ごとに少しずつ新しい要素を取り入れ、継続的に改善していくことが大切です。

また、このチェックリストは「できた/できなかった」の二択ではなく、「どの程度できたか」を振り返るきっかけとして活用してください。例えば、「この項目は今回十分にできたので、次回も継続しよう」「この項目はまだ不十分なので、次回は重点的に取り組もう」といった具体的な改善につなげることが重要です。

同僚との協働的な単元開発においても、このチェックリストを共通言語として活用することで、より効果的な対話が可能になります。

試用後の感想や、単元開発に関するご意見等をお寄せください。

ご協力のほどよろしくお願いいたします。

参考文献

教育計画と単元開発関連

Wiggins, G., & McTighe, J. (2005). Understanding by design (2nd ed.).

Association for Supervision and Curriculum Development.

Hattie, J. (2012). Visible learning for teachers: Maximizing impact on learning. Routledge.

Danielson, C. (2013). The framework for teaching evaluation instrument. The Danielson Group.

 

デジタル教育環境関連

Hamilton, E. R., Rosenberg, J. M., & Akcaoglu, M. (2016). The substitution augmentation modification redefinition (SAMR) model: A critical review and suggestions for its use. TechTrends, 60(5), 433-441.

Koehler, M. J., Mishra, P., & Cain, W. (2013). What is technological pedagogical content knowledge (TPACK)? Journal of Education, 193(3), 13-19.

International Society for Technology in Education. (2017). ISTE standards for educators. ISTE.

 

構成主義的アプローチ

Brooks, J. G., & Brooks, M. G. (1999). In search of understanding: The case for constructivist classrooms. Association for Supervision and Curriculum Development.

Land, S. M., Hannafin, M. J., & Oliver, K. (2012). Student-centered learning environments: Foundations, assumptions, and design. In D. Jonassen & S. Land (Eds.), Theoretical foundations of learning environments (2nd ed., pp. 3-25). Routledge.

 

評価関連

Brookhart, S. M. (2013). How to create and use rubrics for formative assessment and grading. Association for Supervision and Curriculum Development.