旧知の先生から、臨時休校期間中のオンライン学習等に関して相談したいとの連絡があり、Webミーティングを実施しました。
1to1の情報端末は整備されておらず、家庭でのICT環境にバラツキがあるとのこと(同様の学校は多数存在すると思います)
このような状況の中で、臨時休校期間中の学習環境として、公平性を考慮した上での最適解を検討されていました。
今回伝えたのは、以下の内容です。
(1) オンライン学習(オンライン環境の利用容認)は慎重に
子どもたちの生活習慣が崩れた場合、学校再開後に不登校等の課題が生じる可能性があるため、オンライン学習が最善だとは限らない。情報端末の活用を自制できるとよいが、自制が効かないケースも想定される
(2) 学年に応じた休校中の「時間割」を作成する
規則正しい生活による健康維持のためには、日々のリズムと乖離した状況とするより、同様のリズムで学習に取り組めるような状況を整えることが必要では
(3) (2)の時間割に応じた学習課題の用意を
各時間で何をするのか、教育課程の延長上で考えた学習課題を設定し、教科書、学習プリント、ノートでのまとめ、等を組み込んだ学習活動を想定した教材・学習材を用意
(4) (3)の学習課題がすぐに終えられる子達や、取り組みに困難さを抱えている子達のために、オンライン学習を取り入れてみる
例えば、学習プリントを先生が解き、説明している動画を視聴できるようにする。学習課題に関連したオンラインの学習教材を提案する。など
(5) YouTubeで学習動画(または卒業式等)を配信する時の注意点
・YouTubeチャンネルの開設が必要→個人アカウントではなく、学校の公的なアカウントが望ましい
・著作権への配慮→引用の体裁を整える
(後日追記:著作権法第32条には「公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない」とされています。この「その他」に該当しない場合も考えられますので、慎重な対応が求められます。※原則は、著作権者の許諾を得る。となります)
・音楽系の場合は、作詞者/作曲者がJSRAC管理対象か否かを確認する。(対象であれば、BGMで流さずに歌唱するのはOk)
「動画投稿(共有)サイトでの音楽利用」JASRACのHPより
https://www.jasrac.or.jp/info/network/pickup/movie.html
3/5 追記「 JASRAC:新型コロナウイルス感染症対策に伴う教育機関による公衆送信(教材データの一斉送信等)の無償許諾について」
https://www.jasrac.or.jp/news/20/200305_2.html
(6) 健康状況等の確認のためのWebアンケートの活用
・Googleフォームで作成してQRコードを配布する
・(2)の時間割に応じて学習ができたか?の設問を加える
参考サイト:鹿児島県総合教育センター
(7) 教職員がオンライン環境を活用するための研修
・Zoom等のWebミーティングにトライする(今後、自宅勤務などの場合も想定しておく)
・Googleのアカウントを取得し、フォーム、Classroomなどの活用を体験しておく
・動画教材の作成にトライしてみる
(8) オンライン学習を活用する場合「個人情報を扱わない」運用を検討する
アカウントの付与、教材の共有・配信、などにおいて個人が特定される情報(氏名や顔写真等)を扱わないことを確認し、そのための運用方法を検討しておく。(GIGA後にも必要となるため、今のうちに整理しておきましょう)
長期の休みになったとき、これまでと異なる活動を自主的に継続出来る子はそう多くないかもしれません。
これまでの生活や学習を継続していく方が容易でしょう。
ただでさえ、イレギュラーによって混乱したり、バランスを崩す子が出て来やすい状況です。
従来の生活の継続を意識して対応したほうが良いのではないでしょうか。
不足していたり、状況が異なる部分もあるかもしれませんが、
こうした相談対応の中で差し支えない内容については、公開していく予定です。
一助となりましたら、幸いです。