【学習目標分類(Taxonomy) × 学習活動の動詞(Verbs) × ICT活用・環境】検討シート
〜日本の学校における教育の情報化で不足していること(3)〜
これまで「はてなブログ」で書いていた「日本の学校における教育の情報化で不足していること」の第3弾です。
過去記事は、こちら。
・「デジタルポートフォリオやSNSの活用など」〜日本の学校における教育の情報化で不足していること(1)〜
・ICT も 活用する学習者の姿。”動詞”(Digital Taxonomy Verbs)」から考える〜日本の学校における教育の情報化で不足していること(2)〜
2つの記事では、ブルームのタキソノミー(Bloom's Taxonomy ※1956 Bloom )から再検討された
「改訂版タキソノミー(Revised Taxonomy ※2001 Anderson,Krathwohl )で示された
「6段階の認知過程次元(学習目標分類)」
【1 記憶する→ 2 理解する → 3 応用する → 4 分析する → 5 評価する → 6 創造する】
これが新学習指導要領の方向性と親和性が高い(議論の基礎資料としても活用されていた)ことなどを書きました。
また、それぞれの段階に対応した学習活動の動詞(verbs)に、デジタル活用を加えた「Digital Taxonomy Verbs ※2008 Andrew」の日本語訳を紹介しました。
今回、
・改訂版タキソノミーで提示された「6段階の認知過程次元(学習目標分類)」
・Digital Taxonomy Verbs で示された「デジタル活用を含む学習活動の動詞(10の例示)」
・各学習目標に対応した「学習活動の段階とICT活用の基本的な考え方」
・ICTソフト、ICT機器、ICTインフラなどの「ICT環境」
この4つの関連について整理し、今後のICT活用や環境整備を検討するための情報を1枚にまとめた
【TVI検討シート】
を作成しました。
(T V I 検討シート)※ 「Taxonomy Verbs ICT 検討シート」の略
地域、学校、学年、学級、などで目指している「学習目標、学習活動(学習者の動詞)」に応じたICT活用やICT環境を検討するためのシートです。
年間カリキュラムや単元目標などから、求められるICT活用や環境を検討する際も機能します。
ただし、A4一枚構成のため情報量を絞り込んでおり、不足していると感じる場合があるかもしれません。
○学習活動の「動詞」
学校で想定される学習者の「動詞」について、代表的なものを10種例示しています。
当然、他の動詞も考えられます。検討の材料として参考にしてください。
○ICTソフト、ICT機器、ICTインフラなどの「ICT環境」
現在、国内外の教育機関で活用されているソフト(アプリ)や機器を想定して記載しています。
ここに載っていないものもあります。使い方によっては、他の段階で活用できるケースもあります。
種類や用途などの目安とお考えください。
これらの点についてご了承の上、有意義に活用いただけたらと思います。
「 T V I検討シート」へのご質問や、研修等のご相談は、こちらよりお願いいたします。
機器の数やOS、学習形態(一斉指導、個別学習、協働学習、協調学習など)から考えるのではなく、
「学習者が何ができるようになるのか?」
という学習目標からICT活用やICT環境を検討していただく材料になればと思います。
2019/3/26 追記
TVI検討シートの続編
創造的な学びに向かう「発問」例 を作成しました。
パフォーマス評価など、形成的評価のための問いとしてご活用ください。
https://www.nelmanage.com/2019032-taxonomyquestion/
2022/8/25 追記
Digital Taxonomyの視点をまとめたポスターを作成し、公開しています。
こちらも職員室や教室に掲示いただけると、日常のICT活用が高次の学びに向かいやすくなるかもしれません。
ぜひご活用ください。